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夢で逢えたら 最終回

『了解…じゃぁ~車に乗ったら聴こうね。』

『ところで…春海さんは今日は時間は何時まで大丈夫なの?』

春海>はぃ、もう全然大丈夫ですょ。ねぇ…まだ、このあたりを歩きたいなぁ~

『じゃぁ~僕…行きたい場所があるんだけど…いいですか?』

春海>いいですょ。ねぇ…どこなの?

『月並みな場所ですょ…じゃぁ~徳永英明を聴きながら移動しますか?』

そう航が話すと…車を停めあるワールドポターズまで歩き始めた時…

航の左手に…春海の右手が…すーっと入ってきた。

春海は…

春海>いいよね。ホントはね…観覧車を降りてから…手を握りたかったの~

そう…小さな声で航に話しかけている春海の顔は、まるで無邪気な子供のように、これまでにない笑顔だった…


そんな春海を見て航も強く春海の手のひらを握りしめた。

二人は車に乗り込み~一路…航の行きたい場所へと向かった。

車内では…徳永英明の『雪の華』が…流れ始めていた…



『のびた人陰を 舗道に並べ 夕闇の中を君と歩いてる

手を繋いで いつまでもずっと… そばにいれたなら 泣けちゃうくらい… 』


春海>どう? 徳永さんの雪の華は…

『うん…いい感じだね…春海さんは徳永英明は好きなんだ?』

春海>うん…ずっと前から好きですょ。

『他には…誰が好き?』

春海>古いとこだと…さだまさし、国安修二とか?最近では、福山君なんかもいいなぁ~o(^-^)o

『そうなんだ…さだまさし、は姉さんや母さんが好きで家にいる時は家事しながら~歌を流していたなぁ~

国安なんとかは?知らないなぁ?』

春海>また、CD貸しますょ。迷惑でなかったら…

『はぃ、是非とも聴かせてください。』


そう話しながら…車は山手エリアへと向かっていった…


そして到着した。駐車場に車を止めて行った先は…

みなとの見える丘公園だった…


…と、この場所について横浜の海を見ながら

春海は…急に黙ってしまった…

航には…春海が何を想っているのかは…春海の横顔を見てわかっていた…

春海>この場所に…もう一度来るとは…思わなかった…

『幸司さんですね…』

春海>はぃ…そうです、彼と…彼が亡くなる前の日に彼がここへ連れてきてくれたの。

『春海さんは、その時のことを思い出していたんですね。』

春海>ごめんなさい…せっかく航さんが好きな場所に連れて来てくれたのに~

『いいんです、人は皆、忘れようとしても縁に触れて想いだしてしまうことってあります。』

『ましてや…愛する人のことなら尚更ですょ。無理することはない…僕は…ちょっと下の公園あたりを

歩いてきますね…』

…そういうと、航は春海の言葉を聞かずに…春海から離れて歩き始めた…

五分ほどした時…航は雪の華を鼻歌まじりで口ずさんみながら暮れかけた空を見上げながら公園内を

歩いていた時…


航の左手に…冷たい春海の右手が入り込んできた

『おっ!もう…ダイジョウブなんですか?』

春海>はい…ひとりにしちゃってごめんなさい…私…何してたんだろう…

『いいんですょ…僕は春海さんのキモチわかっているつもりですから…』

春海>…ありがとう…航さんは…優しすぎるくらい優しい人なのね。

ねぇ…この繋いだ手…もう少し…このままでいいですか?


いつもの春海ではないよな行動であった…

そこには…亡き幸司ではなく 航への想いから~そう話したのだろう。

『いいですょ…僕なら構いませんよ。幸司さんの代わりにはなれないけれど…』

そう話すと…二人は何も語らずに横浜の海を眺めていた…

『もう…大丈夫かな?』

春海>あっ!?ごめんなさぃ。つい…ぼぉ~っとしてしまって…

そう話すと春海は、ゆっくりと航の手から~自分の手を離そうとした…その時…


航が…離れようとした春海の手を強く握りしめてきた…


春海が…えっ?っと思った瞬間! 航が春海を優しく抱きしめてきた…


春海>(えっ?どうしたの…航さん…ドキドキしちゃうょ…何が起こったの?)

そう…心の中で起こったことの意味が分からす…春海は…ただ…そのままで立ち尽くすしかなかった。



やがて…春海も航の背中に手を回し…カラダを預けた。

航も…何も話さずに…とれくらいの時間がたったのだろう~二人にとっては、もの凄く…長い時間に

感じられた。


『春海さん…僕はずっと…ぬくもりを探していたのかもしれない。

自分と同じものを持っている人と出逢うことを…』

『僕の中には、ずっと…あの日の深雪が消えないでいた。』

『でも…あなたと出逢ってからは~深雪のことが…思い出に変わりはじめて夢にも出てこなくなった。』

『そして、ずっと同じような夢ばかりを見るようになった…そこにはいつも顔が見えない女性がいた

…夢の中で何度も何度も…

君は誰?って聞くんだけど…彼女は答えてはくれない…

そして、いつしか僕は…『夢で逢えたら』って強く思うようになってきた…

でも、今…わかったんだ…夢で逢っていたのは、春海さん、あなただったんだと…

こうして抱きしめて初めてわかった。』

『春海さん…もう少し、このままでいいですか?』

春海>はぃ…

実は…私も何度か…今…航さんが話していた夢と真逆な夢を見ていたの。

亡くなった…幸司の夢も、その夢を見始めてからは見なくなったの。

夢の中の…その人はいつも…こう話しかけているの…『ずっと…待っていますょ…と』

でも、私も今…こうして航さんの胸の鼓動を聞いて…

きっと、夢の中のあの人は…航さんだったんだって。

そして私も何度となく…『夢で逢えたら』って思って眠りについたことか…

『そうだったんですか? 僕らは、こうなる前に『夢で逢っていた』ってことですね。

春海>そうですね…きっと互いの今は亡き、大切なパートナーが引き合わせてくれたのかもしれないですね。

『そうですね…だとしたら…もう離れないでいたい…』

そう航が話すと…そっと春海にkissをした。…



~fin~

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